中学数学 / データの活用 / 授業
データの活用
1. データの整理
平均が同じでも、値の散らばりは同じとは限りません。まず何を何人分調べたデータかを確認し、数え漏れなく整理します。
基本事項
データを区間に分けたものが階級、その区間の個数が度数。階級値は階級の中央の値です。「10以上20未満」は10を含み20を含みません。
解き方・考え方
① 単位と階級の幅を決める。
② 境界値の所属に注意して数える。
③ 度数の合計がデータ数と合うか確認する。
例題
通学時間が8、12、15、20、22、28分の6人を、0以上10未満、10以上20未満、20以上30未満に分けなさい。
解答・解説
度数は順に1、2、3人。20分は20以上30未満に入ります。階級値は順に5、15、25分です。
自分で確かめる
30以上40未満の階級の幅と階級値は? 40はこの階級に入りますか。
確認問題の解答
幅10、階級値35。40は入りません。
間違えやすいところ
度数分布表にすると、各階級の中の正確な値は分からなくなります。表から計算した平均は近似値になる場合があります。
2. ヒストグラムと度数折れ線
人数の多い区間や、分布が左右どちらに偏るかは、表よりグラフの方が見つけやすくなります。軸の単位と目盛りから読み始めましょう。
基本事項
ヒストグラムは階級を横、度数を縦にとるグラフです。階級の幅をそろえたとき、柱の高さで度数を比べられます。隣の柱との間は空けません。
解き方・考え方
① 横軸に階級の境界を等間隔にとる。
② 縦軸の目盛りをそろえる。
③ 度数の高さの柱を描く。度数折れ線は各柱の上辺の中央を結び、両端に度数0の階級を補う。
例題
下のヒストグラムで、20分以上30分未満の人数と、20分未満の人数を読みなさい。
解答・解説
20以上30未満は8人。20分未満は最初の2階級を足して2+5=7人。分布の山は20以上30未満にあります。
自分で確かめる
この20人で30分以上の人は何人で、全体の何%ですか。
確認問題の解答
5人、5÷20×100=25%です。
間違えやすいところ
棒グラフは項目別、ヒストグラムは連続した数値の区間別です。異なる集団を比べるときは人数だけでなく全体の人数も確認します。
3. 相対度数と累積相対度数
30人の組と50人の組では、10人という度数が同じでも割合が違います。全体に対する割合に直すと比較できます。
基本事項
相対度数=その階級の度数÷全体の度数。累積相対度数は小さい階級から相対度数を足した値。丸める前なら相対度数の合計は1です。
解き方・考え方
① 分母に全体の度数を置く。
② 各階級の相対度数を求める。
③ 下から順に足す。
④ 「未満」の境界までの階級を選ぶ。
例題
度数が4、6、8、2人の4階級について、相対度数と累積相対度数を求めなさい。
解答・解説
合計20人なので相対度数は0.20、0.30、0.40、0.10。累積は0.20、0.50、0.90、1.00です。3番目の階級の上端未満には90%が含まれます。
自分で確かめる
A組は30人中12人、B組は40人中14人が10分未満で通学します。割合が大きいのは?
確認問題の解答
Aは0.40、Bは0.35なのでA組。人数だけならBが多くても割合では逆です。
間違えやすいところ
累積相対度数の列全体を足して1にする必要はありません。最後の値が1になります。丸めた相対度数の合計は1から少しずれることがあります。
4. 代表値と分布
少数の極端な値があると平均は引っ張られます。何を知りたいのかに応じて、平均・中央値・最頻値と散らばりを組み合わせます。
基本事項
平均=合計÷個数。中央値は小さい順の中央(偶数個なら中央2つの平均)。最頻値は最も多い値。範囲=最大値−最小値。
解き方・考え方
① 小さい順に並べる。
② 個数が奇数か偶数かで中央を決める。
③ 代表値だけでなく範囲や分布も確認。
例題
データ2、4、4、6、9、17の平均、中央値、最頻値、範囲を求めなさい。
解答・解説
合計42なので平均7。中央値は3番目4と4番目6の平均で5。最頻値4、範囲17−2=15です。17という大きい値が平均を上げています。
自分で確かめる
階級値が5、15、25、度数が2、3、5のとき、階級値を使った平均を求めなさい。
確認問題の解答
(5×2+15×3+25×5)÷10=18。元の正確な平均とは限らず、各値を階級値で代表させた近似です。
間違えやすいところ
中央値は並べてから求めます。最頻値が複数あることもあります。階級別の最頻値は度数最大の階級の階級値で表す約束を使います。
5. 多数回の試行と確率
同じ条件で実験を何度も行い、ある結果の相対度数がどの値に近づくかを調べると、起こりやすさを見積もれます。少ない回数の結果は大きくばらつきます。
基本事項
確率の見積もりには、同じ条件で多数回繰り返した相対度数を用います。0以上1以下の値ですが、次の1回を確定するものではありません。
解き方・考え方
① 何回中、何回起きたかを確認。
② 起きた回数÷全試行回数を計算。
③ 条件が同じか、回数が十分かを考え、近似として述べる。
例題
同じ条件で種を300個まくと、246個が発芽しました。発芽する確率を見積もり、次に50個まく場合の発芽数の目安を求めなさい。
解答・解説
246÷300=0.82と見積もれます。50×0.82=41個が目安です。ただし必ず41個になるわけではありません。温度などが変われば、この見積もりをそのまま使えない可能性もあります。
自分で確かめる
硬貨を400回投げて表が196回でした。「次の100回は必ず49回表」と言えますか。
確認問題の解答
相対度数は0.49ですが、必ず49回とは言えません。回数の目安と確定した結果は違います。
間違えやすいところ
短い間ずっと表が出ても、次は必ず裏とは言えません。実験結果の相対度数と、仕組みから考えた理論的な確率は区別します。