中学2年数学 / 授業

データの比較

1. 四分位数

中央値は中央1点ですが、四分位数はデータを4つの部分に分ける境目で、分布の位置をもう少し詳しく表します。

基本事項

小さい順に並べる。第2四分位数は中央値。第1・第3四分位数はそれぞれ下半分・上半分の中央値。個数が奇数なら全体の中央値を除いて分ける。

解き方・考え方

1. 小さい順に並べる

2. 中央値を決める

3. 上下の半分に分ける

4. 各半分の中央値を求める

例題と解き方

データ2,4,5,7,8,10,12,16の四分位数を求める。

① 8個なので中央値は4番目7と5番目8の平均で7.5。

② 下半分2,4,5,7の中央値は(4+5)/2=4.5。

③ 上半分8,10,12,16の中央値は(10+12)/2=11。

④ 第1が4.5、第2が7.5、第3が11。

自分で確かめる

1,3,4,6,8,9,12の四分位数は?

解答・確かめ方

第2は6。6を除いた下半分1,3,4の中央は3、上半分8,9,12の中央は9。第1=3、第3=9。

間違えやすいところ

データを並べ替えてから位置を数えます。偶数個の中央は2つの平均です。

2. 四分位範囲

範囲は最大値と最小値の差、四分位範囲は中央付近の散らばりです。極端に大きい値や小さい値の影響は異なります。

基本事項

範囲=最大値−最小値。四分位範囲=第3四分位数−第1四分位数。

解き方・考え方

1. 比較したい散らばりを確認

2. 必要な代表値を取り出す

3. 大きい値から小さい値を引く

4. 単位を付けて説明

例題と解き方

最小2、第1四分位数5、中央値8、第3四分位数12、最大30のデータで範囲と四分位範囲は?

① 全体の範囲は30-2=28。

② 四分位範囲は12-5=7。

③ 中央付近のデータは幅7に集まる一方、全体では幅28ある。

④ 何の幅を比較しているかを言葉にしておく。

自分で確かめる

第1四分位数14点、第3四分位数22点の四分位範囲は?

解答・確かめ方

22-14=8点。

間違えやすいところ

四分位範囲を第3四分位数÷第1四分位数としないこと。比ではなく差です。

3. 箱ひげ図

箱ひげ図は5つの値を共通の目盛り上に示す図です。箱の長さは中央付近の散らばりを、箱の中の線は中央値を表します。

基本事項

最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値を使う。箱の両端は第1・第3四分位数。

解き方・考え方

1. 5つの値を求める

2. 等間隔の目盛りを作る

3. 四分位数の間に箱を描く

4. 中央値と両端のひげを記入

例題と解き方

最小10、第1四分位数14、中央値18、第3四分位数20、最大28の箱ひげ図を描く手順は?

① 数直線に10〜28が入る等間隔の目盛りを取る。

② 14から20までを箱にする。

③ 18の位置に箱を横切る中央値の線を引く。

④ 箱の外へ10と28までひげを伸ばす。箱の長さは6。

自分で確かめる

この箱ひげ図から平均値は正確に分かるか。

解答・確かめ方

分からない。5つの値が同じでも、個々のデータが違えば平均値は変わる。

間違えやすいところ

箱の幅は人数そのものを表しません。図だけから総人数や全ての値を読み取ることはできません。

4. 複数の集団の比較

中央値が高い集団でも、全員の値が高いとは限りません。中心の位置と散らばりを分け、同じ目盛りで比較します。

基本事項

中心は中央値、中央付近の散らばりは四分位範囲、全体の散らばりは範囲で比べる。

解き方・考え方

1. 単位と目盛りをそろえる

2. 中央値を比較

3. 四分位範囲や範囲を比較

4. 比較した指標を明記して結論

例題と解き方

A組は中央値70点・四分位範囲10点、B組は中央値75点・四分位範囲24点。どう比較できる?

① 中央値はB組の方が5点高い。

② 四分位範囲はA組の方が14点小さい。

③ 中央付近の得点はA組の方がまとまっているといえる。

④ B組の全員がA組より高得点とはいえない。

自分で確かめる

四分位範囲が等しければ最大値・最小値も等しいか。

解答・確かめ方

等しいとは限らない。中央の幅が同じでも両端の値は異なる場合がある。

間違えやすいところ

1つの指標だけで優劣を決めず、何を知りたいかに応じて比較します。

5. データに基づく説明

説得力のある説明は、読み取った数値と、そこからいえることを分けて示します。図から分からないことまで断定しません。

基本事項

「指標と数値 → 比較 → 分かること → 判断の限界」の順に説明する。

解き方・考え方

1. 問いに対応する指標を選ぶ

2. 具体的な数値を引用

3. 比較を言葉にする

4. 分からない情報も確認

例題と解き方

走る時間についてA班の中央値15秒、B班14秒。B班の方が速いと説明するときの注意点は?

① 時間なので数値が小さい方が速い。

② 中央値で比べるとB班はA班より1秒速い。

③ 「中央値で見るとB班の方が速い」と根拠を限定して述べる。

④ 全員の速さや平均時間は、この情報だけでは判断できない。

自分で確かめる

箱ひげ図だけで「B班は人数が多い」と結論してよいか。

解答・確かめ方

いけない。箱ひげ図は通常、人数そのものを示していない。人数の情報を別に確認する。

間違えやすいところ

根拠にした数値を省略すると、印象だけの説明になります。比較する方向にも注意します。